正代関の初優勝

 大相撲九月場所は正代の初優勝で幕を閉じた。

 土俵際をかろうじて残し、跳猿を突き落として勝った後、カチンコチンの、まるでロボットのような足取りで戻っていく様はどこかおかしみもあり、微笑ましくもあって、初場所の徳勝龍や、先場所の照ノ富士のときとはまた少し違った味わいのあるハッピーエンドだったように思う。

 負けて悔しい跳猿にせよ、千秋楽の結びの大一番で、新入幕の小兵(?)力士が優勝を賭けて、本命の大型力士を果敢に攻め、土俵際まで追い詰めたのだから、大いに男を上げた。割と誰もが幸福になれる展開も大相撲ならではの舞台があってこそといえるかもしれない。

 解説の北の富士さんが「今後、(正代の)腰高のことを云々する人もいるだろうが、あの柏戸も腰高だった。腰高がなかったら、柏戸の速攻相撲もなかった。正代の腰高もあれがあるからこその速さ強さなのだから、正代らしさを失うことはない」といった趣旨のことを話していたのが印象的だった。

 相撲はまるで疎いので、速くて強い正代のスタイルに欠陥があるようには見えないのだけれど、その道の玄人からみれば、玄人ならではの経験から、何らかの危うさ、脆さの如きものが見えていたりするのだろう。

 次は十一月。本来の九州場所もまた東京開催となるらしい。今度は綱とりをめざす、大関・正代の雄姿を見るのが待ち遠しい。地元(とはいっても隣の市だけど…)の星・隆の勝、琴勝峰の両力士にも更なる飛躍を期待したい。

 そういえば、先日、手賀沼でオオバンを撮ってきましたので、載せておきます。
(2020.9.29公開)

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