五強
今年の早稲田はすこぶる評判がいい。春先から五強の一角に数えられ、優勝候補に上げる人もいるほどだ。何故そんなに評判がいいのか。その理由は明白だ。渡辺康幸くんの再来とも噂され、早稲田OBOGがこの上もなく期待を寄せる鈴木琉胤くん(八千代松陰)と、そのライバルと目される佐々木哲くん(佐久長聖)の加入が大々的に報じられたからだ。昨年の暮に行われた都大路(全国高校駅伝)で各校のエースが集う、花の一区を日本人最高タイムで制し、駅伝ファンに衝撃を与えた鈴木くん。同三区区間賞でチームの連覇に大きく貢献した佐々木くん。二人が駅伝ファンを唸らせる走りをした、その同じ日に大学ははかったかのように、2025年度の推薦合格者を発表したのだ。正月の箱根でも往路は3位と健闘していた上に、二人のスーパールーキーが加わって、渡辺くんや、かつての三羽烏がいたときのような高揚感が早稲田ファンを包みこんでいる。
二人のスーパールーキーは入学前から、早稲田の躍進を予感させるような走りを見せる。正月に行われた都道府県駅伝では高校生区間の五区で、ともに大会新記録の快走を見せ、佐々木くん(区間賞)は長野の四連覇に、鈴木くん(区間2位)は14人抜きの走りで千葉の準優勝に貢献した。さらに鈴木くんは三月にもメルボルンの大会で5000mU20歴代3位(高校歴代2位)のタイムを叩き出している。
晴れて四月に入学すると、先日の日本学生個人選手権(4/27)では佐々木くんが大会新記録で3000mSCを制し、鈴木くんは5000mで、一年生ながらも終始レースを引っ張り、最後にはかわされたものの、大会新記録で入賞(2位)して、改めて強さを見せつけた。鈴木くんは派遣標準記録も突破していたことから、ハーフの工藤くん、3000mSCの佐々木くんとともに、ワールドユニバーシティゲームズ2025の日本代表に選ばれた。
期待の新戦力は二人だけではない。推薦組ではもう一人。駅伝力の高さに定評のある堀野正太くん(須磨学園)。内進組では5000m14分台一桁のタイムをもつ山田晃央くん(早稲田実業)も先日(4/27)の日体大長距離競技会では5000mのPBを更新するなど頼もしい限りだ。他にも5000m14分台前半のタイムをもつ冨田拓臣くん(水城)や多田真くん(洛北)など、今年のルーキーは実力者揃いなのだ。早稲田のOBOGが今からソワソワするのには十分な理由がある。
さて、5/8~11の日程で第104回関カレが行われる。一部の1500m(5/8 15:20)には長距離ブロックから立迫くん(2)と山田くん(1)、中距離ブロックからは岩下くん(3)がエントリーされている。昨年は思うように走れなかったという立迫くんとルーキーの山田くんがどのような走りを見せてくれるのか。非常に楽しみだ。同じく10000m(5/8 17:50)にはエースの山口智駅伝主将(4)と、次期エース候補の山口竣くん(2)、同じく3000mSC(5/10 15:40)には須山くん(4)と佐々木くん(1)がエントリーされている。強いルーキーたちの加入による、須山くんの奮起にも期待したい。同じくハーフマラソン(5/11 9:15)には進境著しい伊藤くん(4)、山の名探偵こと工藤くん(3)、ロードには定評のある瀬間くん(2)の三人がエントリーされている。そして、同じく5000m(5/11 15:40)には早稲田が誇るスピードスターのダブル山口くんに加え、スーパールーキーの鈴木くんもエントリーされている。
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